特定社会保険労務士とは

社会保険労務士法人 不当解雇、賃金未払い、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント等々、昨今の労使間トラブルの急増に伴い、裁判外での迅速な解決を目的として、2007年から社会保険労務士に対し新たに権利付与された制度。厚生労働大臣指定の研修を経て、国家試験である紛争解決代理業務試験の合格が必要。
労使間における労働関係の紛争において、裁判外紛争解決手続き制度に則った代理業務に従事することを認められた社会保険労務士。

紛争解決手続代理業務とは

個別労働関係紛争の当事者が、都道府県労働局の紛争調整委員会や民間ADR機関にあっせん申請等を行う場合(また、あっせん申請等の相手方となった場合)における、代理人としての代理業務。

  • 1.

    個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局が行うあっせん手続の代理

  • 2.

    男女雇用機会均等法に基づき都道府県労働局が行う調停手続の代理

  • 3.

    育児介護休業法に基づき都道府県労働局が行う調停手続の代理

  • 4.

    短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づき都道府県労働局が行う調停手続の代理

  • 5.

    個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせん手続の代理

  • 6.

    個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続の代理(紛争価額が120万円を超える案件は弁護士との共同受任)

特定社会保険労務士の役割

特定社会保険労務士は、紛争解決代理業務に従事する事ができる社会保険労務士です。下記添付資料にもあるように、労使間トラブルの増加・多様化にともない、法律的な側面から労使間トラブルの解決、未然防止に、企業内労務管理の強化にお役立ていただければと考えます。

参考資料:厚生労働省発表 個別労働紛争解決制度実施状況
個別労働紛争解決制度実施状況

厚生労働省では、都道府県労働局、各労働基準監督署内等に労働問題に関する相談に対応するため、総合労働相談コーナーを設置しており、平成27年度に寄せられた相談件数は

総合労働相談件数
1,034,936件
民事上の個別労働紛争相談件数
245,125件

であった。総合労働相談件数は、前年度に比べて1,889件増加し、8年連続で100万件を超えている。また、民事上の個別労働紛争相談件数は前年度に比べて6,319件増加している。

個別労働紛争相談の内訳は、「いじめ、嫌がらせ」が66,566件(22.4%)、「解雇」が37,787件(12.7%)、「自己都合退職」が37,648件(12.7%)となっており、「いじめ、嫌がらせ」が4年連続で最多となっている。